フォーカシングについて
フォーカシングについて
カウンセリングの度に心が軽くなって良くなって行かれる方と、何度通っても変らない方。
その違いは、いったいどこにあるのでしょうか?
この難問に答えるための研究が、アメリカで行われました。
カウンセリング風景をビデオに収め、何千本ものカウンセリグを分析し、効果が出たカウンセリングと効果が出ないカウンセリングのどこが違うのかを分析したのです。
その結果、わかったこと。
それは、カウンセラーの対応には違いがなかったということです。
違いがあったのは、クライアントの対応でした。
効果が出るクライアントは、カウンセラーからの質問があると、少し伏し目がちになり、自分の身体の中を感じるように質問を味わい、そしてじっくりと時間をかけて答えを絞り出します。
逆に効果が出ないクライアントは、カウンセラーの質問にその場ですぐに回答します。
それはもともと頭にあった答えを、口に出しているにすぎないのです。
そこでわかってきたのは、カウンセリグの持つ本来の力です。
カウンセリングとはクライアントの胸やお腹の辺りにモヤモヤとわだかまっていて、まだ言葉になっていない反応に言葉を付けていくことで解消していく技術だったのです。
そうと分かれば、そのプロセスそのものを心理療法として提供すればよいではないか! と、生まれたのが『フォーカシング』です。
自分の身体の中にあるモヤモヤとしたわだかまり(フェルトセンス)に意識を向けて、その感覚が持っている思いを言葉にして受け止めていきます。
クライアント自身の意識では気づいていなかった思いが出てきて、本人が驚くことがあります。
そして、そんな気づきの後には必ず気持ちが軽くなっていかれます。
心理療法の王道というべき技術です。
当カウンセリングルームでも、使うことが多く、クライアントさんの今後の人生に役立てる上でも、ライフスキルとして習得していただきたい技術だとおもっています。